第4回 ポルシェのクラッチ貧弱説は本当か? |
ポルシェのクラッチが弱くて高けりゃ、オヤジは今ごろ左うちわ?厳しい残暑もようやく過ぎて、ドライブが楽しい秋がやってきました。みなさんは愛車をバリバリ走らせてまっか? やっぱりスポーツカーで飛ばすのは、スカッとして気持ちええもんやね。 もちろん捕まらん程度、事故せん程度に、安全な範囲で運転してくれたまえよ!! ところで、クルマを飛ばすと、どうしても負担がかかってくるのがクラッチ。 ウチもポルシェを専門にやりだして13年になるけど、ポルシェを初めて買おうとしているお客さんに必ず尋ねられるのは、 「ポルシェってクラッチが長持ちしないんでしょ?」 「クラッチの修理って、20〜30万円くらいかかるらしいですね?」 クラッチの修理がしょっちゅうあって、そんなにお金がもらえるなら、ワシなんかとっくにGTUかGTVの新車でも買って、「左うちわ」で乗り回してるやろね。ん? そりゃ危ないってか? というワケで、今回はポルシェのクラッチについてお話ししよう。 ポルシェのクラッチははっきり言って丈夫です!まず、結論から言って、ポルシェのクラッチは平均で約5年、約5万キロは壊れへん。もちろん常に荒っぽく乗っていれば、もう少し寿命は縮まるし、年式によっても多少差はあるが、普通の運転ならこれくらいは大丈夫やろね。パワーがあることを考えれば、国産車と比べても、さして遜色はないと思う。 1970年、911のエンジンは2.2リットルにスケールアップしたが、このときクラッチ板のサイズは215ミリから225ミリになり、当然プレッシャープレートも強化された。 踏み込みはやや重くなったけど、強度はグッと増したため、このクラッチは86年のカレラ3.2リットルモデルまで使用された優れものだった。プレッシャープレートも、最初は鉄だったのがアルミに、さらに再び鉄に変わったが、強度は鬼のように強くて、普通に使えば、まず永久に交換は不要やろね。要するに、ポルシェのクラッチは丈夫なのでア〜ル! ポルシェのクラッチトラブルあれこれ決して頻発するわけやないけど、ポルシェのクラッチトラブルの例もお話しておこう。 これまで何百台ものポルシェを見てきたが、車が動かなくなるほどクラッチが滑ってしまったのは、ほんの数えるほど。しかも、全部ターボモデルやった。 聞けば、「人に貸したあと、戻ってきたらこの有様で…」とのこと。おそらくポルシェに慣れていない人が、ギアをローに入れたつもりが3速に入ってたりして、強烈な半クラッチでスタートしたりしたんやろね。ほんでもって、ターボはパワーがあるから3速でも4速でも発進してしまうねんな。そんなことを繰り返せば、さすがにどんなクラッチでも壊れますです、ハイ。あんまり人に貸さないほうがいいでしょうな、ポルシェというクルマは。 次に78年のターボ、87年の3.2リットルモデルからは、「ラバーセンターダンパー付きのクラッチ」が採用されている。 つまりクラッチをつなぐ瞬間のショックを、ゴムの部品でやわらげているわけだが、このクラッチは、クラッチ板が滑り出す前にそのゴムが破損してしまうことがある。このあたりが、ポルシェのクラッチが弱いというウワサの一因になってるのかな? それでも、すぐに壊れるもんではないんやけどね。 クラッチの切れが悪くなり、バックに入れるときギヤーが「ガリッ!」と鳴ったり、発進時やシフトチェンジの時にギヤーが入りにくくなったりすることがある。これは、クラッチの調整不良、クラッチ内部の摺動部のオイル切れなどが原因となっておる。こうした症状は、ミッションの不調と間違えやすいので要注意。異常のないミッションをオーバーホールされて無駄金を使わないように、専門店できちんと診断してもらわないとあかんね。 アイドリングスタート?いやいや楽しく乗りましょう!さてさて、クラッチを痛めない乗り方をすれば、またさらに寿命を伸ばすことができるのは言うまでもない。書籍によっては、アイドリングスタートを心掛けるようになんて書いてあるが、78年式以降のヘルパースプリング付きのクラッチはミートが難しく、パワーのあるターボ以外でアイドリングスタートにこだわり続けると、神経がヘトヘトに磨り減ってしまう. でも、そんなに神経質にならなくても、普通の乗り方であれば、前述したように最低でも5年、5万キロは壊れへんから、ご安心を。 せっかくポルシェという素晴らしいスポーツカーに乗るんやから、クラッチを気にして毎日アイドリングスタートなんてやってると、逆にストレスが溜まってしまって、体にもよくない。やっぱり、スポーツカーは、思いっ切り飛ばして楽しみましょう! 修理代に関しては、このホームページのメンテナンスのコーナーを参考にしてくだされ。 決して高過ぎることはありませんぞ。 それでは次回をお楽しみに! |